【鶏骨スープ 青桐】

青桐限定塩つけそば

≪期間限定:塩つけそば≫ ~10月末

今年、この夏、新潟県内で一番おもしろ美味かったであろう品、それがこれだ。
前作の限定品で使用した特注の低加水麺を用い、あろう事か、魚貝出汁のみでの塩つけそば。つけだれは鰹の風味と貝の滋味溢れるスッキリ旨い塩味。その上には香ばしい焦がしラードを多めに浮かべ、塩味の魚貝出汁なのに物足りなさなどは全くなく、ラードのコクがもたらす充実感と魚貝出汁の得も言われぬ独特な旨さ。ましてや、つけ麺には通常使用しないであろう低加水の細麺のザックリ感も新感覚の味わいなのだ。
その麺には若い青山椒が振られ、この清々しい演出がまた爽やかな涼味ナリ。
茹でて水で〆られた麺には、僅かにも下味が施されている。つけ麺として水分的に不利であろう細麺なのに、全く水っぽさを感じさせないのがこの美味しさの秘訣なのである。ゆえにタレと馴染み易くハネる様子もなく、魚貝出汁をグングン吸い上げては焦がしラードが表面を覆い、多加水の太麺には真似の出来ない未知なるアプローチは必見である。

青桐鶏骨醤油

≪鶏骨醤油ラーメン≫

ピュア濃い鶏骨スープに醤油と鶏油を多めに加え、ちょっと他所にはない程の鶏味が堪能できる看板メニュー、それがこの鶏骨醤油ラーメン。
鶏骨スープとは言うが勘違いしないで欲しい。よくある清んだトリガラスープではなく、濁りはあるが鶏白湯(パイタン)でもない。丸鶏をバラして煮込み、肉の旨味から骨や軟骨のエキスまで抽出したとても旨濃い鶏スープ。グラグラに煮てないので油は溶け込まず乳化せず、鶏白湯よりもスッキリした味わいの濃厚鶏骨スープになる。

契約養鶏家から仕入れる地鶏は鶏卵用種だが、その一線を退いた歴戦の廃鶏を使う。
広い土地で有機飼料をつついて放し飼いにされていた雌鶏で、その肉は赤身濃い筋肉質に、見るからに濃厚そうな黄色の脂をも纏っている。皮も肉も硬くて食用には向かないと言うが、その筋肉や脂から染み出る旨味たるや、こんなにも鶏とは旨いものかと目を細めてしまう。
有名ブランドの鶏肉美味さともまた違い、力強くて野趣溢れる圧い旨味を醸す。若者の会話は3分で飽きるが、年配者の語りは一晩でも飽きない。そんなワイルディーMOMなのである。
鶏油の甘味が口の中で膜を張っても、醤油の香りとスープの旨味が後押ししながら浸透して来る。麺は固めでダレ難く、また野菜のシャキシャキ感も食べ飽きさせない演出である。美味さ美味さで改良進歩して来た現代において、忘れ去られた昔の鶏の味がする様だ。

 

 

青桐にごり塩

≪にごり塩ラーメン≫

この店には鶏骨スープともうひとつ、魚貝での出汁が仕込まれている。
にごり塩ラーメンは、鶏骨スープと魚貝出汁でのWスープの塩ラーメン。先の鶏骨スープのみとは風味も口当たりも違い、あの力強さは控えめにして、香味と滋味あふれる仕様となっている。
ネギ油の香りが芳ばしく漂い、そこでスープを一口飲むと、これはなんたる旨味!!
鶏の旨味に魚貝の滋味が拍車をかけ、飽きないどころか複雑に絡んだ香りで酔いそうだ。それは隠されていた揚げエビであったり、チャーシューからの醤油の芳香だったりするのである。

 

 

青桐だぶる醤油

≪だぶる醤油ラーメン≫

これは、またしてもこれは、予想を覆す刺客だとも言える。
これも鶏骨スープと魚貝出汁でのWスープにし、地元醤油蔵の二段仕込み醤油を用い、醤油好きにはたまらない逸品。刻みネギが薬味以上の仕事をしていて嬉しいが、それよりも、この濃い醤油香の中で更にひときわ薫る香ばしい煎りゴマの仕事振りには天晴れ。たったいま火から下ろされた様な爆ぜるゴマの香ばしさと醤油香が合わさり、そこに鶏骨スープのコクが融合したと想像しただけでも、今にも脳内の記憶からそれらの香りが湧き出して来るのである。

 

 

青桐カレー

≪西川カレーラーメン≫

面白い、そして美味いアプローチである。
確かに作ってる時はカレー風味だが、いざ食べると思う様なカレーカレーしてない摩訶不思議なカレー味。家庭で使う市販のカレーの香りとはまるで馴染みのないフレーバーで、硬そうなパンに染み込ませたら合いそうだが、ご飯にかけるのはどうかとも思うカレー風味なのだ。風味、風味だけだとそう思ったが、食べるとソレがまた一転する。
これは、なんと、醤油味なのだ。辛さはカレーからではなく、仕上げにかけたラー油からの辛さが利きに効いている。更に奥からじんわりと鶏骨スープのコクが味わえ、そして妙な事にカレーの香りが旨味にも感じて来る。
まるでイメージしてそうな従来のカレーラーメンではなく、醤油もラー油も鶏骨スープも面白い具合に同居している。たぶんに調合したカレー粉(スパイス)を香辛料としてでなく、味をも含めて纏め上げる誘導調味料として作用させているのではなかろうか。
和風でもなく、洋風でもなく、ましてや中華でもない。
麺があっても不自然さや違和感もなく、醤油の香りも海苔の香りも消されないカレー味。決して遊びや悪戯でもなく芯を外さず的を射て、カレーと言う言葉にすら新たに開眼させられてしまう。

 

【鶏骨スープ 青桐】

新潟県長岡市—

*店主は2018年9月を持って母体であるレストランから離職し、よってラーメン屋としての青桐も無くなりました。

現在は同市内で本業とも言える洋食屋を開業しています。

 

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